EXHIBITION,  INTERVIEW

合同展示会:MONTAGE 23rd

変化する時代に求められる合同展示会の役割

2020年2月5日、MMD取材陣は昨年9月の記事「MONTAGE 22nd 合同展示会に注がれる主催者たちの熱意#01」でも紹介した、ライフスタイルメーカーが集まる合同展示会:MONTAGE(モンタージュ)へ取材に訪れた。

2020年2月5日(月)~2月7日(金)の3日間に渡って開催された同展示会の初日は、ライフスタイルショップやセレクトショップ、アパレルに専門店などのバイヤーや関係者が集まり、会場は大いに盛況しているようだった。

熱気にあふれた会場で、今回も主催者にインタビューをすることができた。合同展示会:MONTAGEは今回で開催23回目を迎え、展示会として成熟を増す一方、出展社や来場者の傾向にも変化が生まれているという。

変わりゆく世間のニーズに対し、合同展示会ができることとは何だろうか? 今回、2020年のテーマとして設けられたコンセプト「MATERIAL」や、今後のMONTAGEの展望について話を聞いた。

合同展示会:MONTAGE(モンタージュ)とは?

合同展示会:MONTAGE 23rd
開催期間:2020年2月5日(水)~2月7日(金)
会場:TOC有明WEST GOLD20
https://montage-express.jp 
※MONTAGE 23rdの会期は既に終了しています

INIT・efim・BRIDが主催する合同展示会:MONTAGE(モンタージュ)は、ライフスタイルの多種多様な要素を整え、次のトレンドの創造と発信を行うことがコンセプトのBtoB向け合同展示会だ。

セレクトショップを主なターゲットにしており、インテリア、グリーン、アウトドアのカテゴリーを中心に構成された会場には、ただ単に商品を並べるだけではなく、そのまま店舗の売場作りの参考にできるように総合演出にも力を入れているのが大きな特徴となっている。

また、展示商品の仕入だけに限らず、イベントやディスプレイに関する相談や、売り場のディレクション等、様々な案件に対しての商談も可能。出展社と来場者の双方にとって、未来の指標となる出会いが期待できるのがMONTAGEの魅力だ。

会場には、家具やインテリア雑貨をはじめ、近年のトレンドであるアウトドア向けのギアやファッションアイテム、見た目の美しさ・ユニークさに機能性を備えたデザイン性の高いアイテムなど、バイヤーたちの興味をそそるであろう商材が多数みられた。

2020年のテーマは「MATERIAL」

− MATERIAL  −   

出逢いやモノづくりなどの新しい取り組みを繋げるためのツール、新たなモノを生み出す時に関わりあう素材や原料、データや道具、そして人。日々進化をし、成長をしていくそれらは「MATERIAL」として大きな価値観で捉えたとき、出逢いやモノづくりなどにおいて新しい取り組みを繋げるための「ツール」となる。 さまざまなMATERIALが混ざり合い、幾つもの工程を経て創り出されるモノやコンテンツは時に美しく魅力的な光を放ち、また時に輝きを失ってしまう。 

MONTAGE は、変化と淘汰を繰り返す現代に「MATERIAL=ツール」を繋げることで、 普遍的な価値とそこに生まれる新たな魅力を提案し、表現していきます。 

2020年の新たなテーマ「MATERIAL」について教えてください。

− 主催者コメント:MONTAGEが今年のテーマとして掲げた「MATERIAL」という言葉には、本来加工物などを構成する「原料」や「素材」という意味があります。

それらの原料や素材といった「モノ」を見直したり、考え直したりすることで生まれる新たな価値や、還元に繋がるといった、SDGsの中で掲げられているような「つくる責任とつかう責任」に近い意味合いももちろんありますが、それだけではないんです。

私たちが考える「MATERIAL」には、原料や素材といった「モノ」だけではなく、それらを生み出す「ヒト」や、それらに関わる「コト」など全てを含んでいます。例えば、木材、金属、塗料などが合わさり、一つのチェアが出来上がるとします。この合わさる、繋がるということから出来上がる「何か」を構成している全てを「MATERIAL」と捉えています。

合同展示会というこの場所に集まった「モノ」「ヒト」「コト」も同じように考えています。出展社をはじめ来場者や、魅力的な商品たち、そこに関わる人々、道具やデータ、それらが “繋がる”ことで新たな「何か」が生まれるんです。

SDGsで掲げられた目標の中の意味だけに留まらず、大きな価値観を持って捉えたMATERIALは、業界同士の垣根を越えてコンテンツを広げ、未来へと繋がっていくのだと思います。そういった仕組みを作りたいと考え、このテーマを掲げました。

 SDGsとは?
「「ustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年9月に国連で開かれたサミットの中で採択された国際社会の共通目標のこと。「17の目標」が掲げられており、その一つに「つくる責任とつかう責任(持続可能な方法で生産し,責任をもって消費する)」がある。 

今回のテーマ変更で意識した点や、変わった点があれば教えてください。

− 主催者コメント:私たちがこれから大切にしていかなくてはならないのは、商品その「モノ」だけでなく、そこにある背景やストーリーといった「コト」だと考えています。

例えば、かつての日本の一般家屋では照明を選ぶ際、作業がしやすいであるとか、手元が見やすいという実用性ばかりが重視され、照度を求めて白色電球を使う家庭が大半でした。 しかし現在では、家の中での過ごし方やライフスタイルの変化とともに、よりリラックスが出来る温かみのある電球色を選ぶ人たちが増えています。

食べ物や化粧品、衣服に寝具、洗剤なども“オーガニックであること”や“地球に優しいこと”などを意識する人が多くなってきている。単純に生活水準ではなく、“ライフスタイルの水準を高めていくことが自分にとって良い”という価値観の高まりを感じているので、それらも大切にしながら出展社のオーディションを行いました。

ライフスタイル水準という新しい価値観が生まれているんですね。

− 主催者コメント: MONTAGEとしては、その中でもさらに、まだ世間に認知されていないメーカーやブランドにスポットを当てていきたいと考えています。

こだわりやストーリーを持ち、長年ずっと連れ添っていきたいと思える様な素晴らしいものづくりをしている作り手はたくさんいます。そういう方々にMONTAGEに出展していただいて注目が集まることで、MOTAGE自体も引き上げてもらえ、合同展示会としての存在意義を高められるのではないかと考えています。

刻々と変わりゆく世の中のニーズ

23回目の開催となり、来場者の変化や、MONTAGEに求められていると感じることはありますか?

− 主催者コメント:来場者に関しては以前と比べて異業種の方が増えました。もともとは雑貨やインテリアといった業界の方が多かったんですが、住宅・建築関係やカフェなど飲食業界の方も足を運んでくれています。

最近はカフェや美容院などでも雑貨やアパレルの販売を始めるところが出てきて、私たちが思っている以上に多種多様なコンテンツというものが皆さんに求められているんだなと感じますね。

その背景には、残念ながら「モノ」が売れなくなってきているという要因もあると思います。ですが、「新しいものを取り入れよう」「異業種や他業界にも目を向けよう」という前向きな気持ちで来場されているという点も大きいと思うので、歓迎すべきことだと捉えています。

好評のBIO ROOMについて、今回のポイントなどあれば教えてください。

− 主催者コメント:今回のBIOROOMでは、グリーン、ボディケア、香り、食といったカテゴリーの出展社が集まりました。

「コト」の提案をしていきたいとお話ししましたが、BIO ROOMの出展社は一つ一つにストーリーがある商品を扱っており、まさに「コト」を売っているのだと感じますね。

女性のバイヤーを中心に、来場者からの注目は回を増すごとに高まっています。MONTAGEは次回の開催では規模を拡大し、増床を行って全体の出展数も増やす予定なので、BIO ROOMをさらに強化していきたいと考えています。

それぞれにストーリーのある商品が並ぶBIOROOMのブース

BIO ROOMについての過去の記事はこちらから

展示会の規模を広げ、業界の活性化を目指す

会場変更および増床が予定されているとのことですが、その理由を教えてください。

− 主催者コメント:建物自体は今回と同じTOC有明で開催するのですが、フロアを変更し、これまでより広い会場を使用します。理由の一つは、魅力的な出展社の応募がたくさんあっても、これまでの会場の広さでは出展場所を提供できないという状況を改善するため。もう一つは、業界全体の活性化につなげたいという考えからです。

MOTAGEはBtoBの展示会ですが、世の中の流通はCtoCの傾向が強くなっています。「個人が作ったものを、個人が売り、個人が買う」というシステムが育ってきたことで、Bの役割が弱まってきたと感じざるをえません。

もちろんYoutuberやインフルエンサーなど、個人の勢い・発信力の強まりには目を見張るものがありますが、個人では難しいことが可能になる“企業力”という強さもあると思うんです。そういうCtoCでは出来ないことを、企業がこれからも担っていくためのサポートや新しい発信を行う場を提供する、それがMONTAGEでできればいいなと考えています。

合同展示会:MONTAGE(モンタージュ)の今後の展望

最後に、今後の展望を教えてください

− 主催者コメント:MONTAGEには、国内のトップバイヤーが足を運んでくれていると認識しています。彼らには発信力があり、彼らの見たものや選んだものが世の中の流通になっていくといっても過言ではないでしょう。

新しい流通を生むためには、今後も彼らに常に新しい発見や驚きを提供していかなければなりません。そしてそれこそが、私たち展示会主催者の役割だと思っています。

まだまだ構想段階ではありますが、今後は他の展示会との合同開催なども視野に、さらに展示会としての存在感を強めていきたいですね。次回の増床はその第一歩だと考えています。

インタビューにお答え頂き、ありがとうございました。

業界やジャンルを越えて新しい価値観にふれる場所

異業種や他の業界関係者など、これまでとは違った来場者も増え、ニーズの変化・多様化が顕著になっているという合同展示会:MONTAGE(モンタージュ)。

主催者インタビューの中で語られた「自分たちにとっては当たり前のものが、異業種の人にとっては『知らなかった』『こんなものがあるんだ』と驚かれることも多く、その逆もある。そういった反応や発見も新鮮だ」という言葉を聞き、私たちも実際に会場内を歩き回って見る中で、異なる業界が交差することで、双方にとって新たな驚きや発見が生まれる場になっているのだと強く感じた。

それぞれのブースを見渡していても、出展社と来場者の間に新たな出会いやアイデアが生まれ、ビジネスチャンスの萌芽を目の当たりにする瞬間が多々あった。出展されている様々なアイテムの実際の利用シーンや店舗での展開のイメージに直結しやすいのは、全体演出に力を入れているMONTAGEならではといえるだろう。

次回は2020年10月に24回目の開催を控えている。増床による出展社数の増加で、出展社・来場者ともに新たな業界からの参加も期待される合同展示会:MONTAGE(モンタージュ)の今後に、MMDとしても引き続き注目していきたい。